自転車ビギナーが、超小径折りたたみ「DAHON K3」を買うまでの話

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最高の自転車、買っちゃった

以前Twitterで報告しましたが、新しく折り畳み自転車を購入しました。

DAHONのK3という、折り畳み界のスマッシュヒット自転車。

「自転車ほしいな〜」というボンヤリとした願望が発端で、コイツを購入するまでに紆余曲折ありました。

ってことで今回は、DAHON K3に至るまでのプロセスや購入後のファーストインプレッションなどを語ろうと思います。

折り畳み自転車が欲しくなったワケ

東京に来て約8年ほど経ちましたが、その間自転車なしで過ごしてきたのに、今更欲しくなったのはお引っ越ししたのが理由

以前の街は郊外にあって、自転車で行けるような距離でも行きたい場所がなく買い物に行くにもは電車移動が必須、みたいな場所におりました。

しかしこの度、数駅行けばお買い物は何でも済むような都会寄りの街に引っ越したんですが、「数駅だと徒歩はキツいし、電車移動するほどでもないし…そうだ!自転車を買おう!」と考えたのが経緯。

じゃあ自転車を買うにしても「なぜ折り畳みなのか?」については、以下の通り。

  • 盗難リスクや劣化防止のため、室内で保管したい(東京のチャリ盗難被害ヤバいらしい)
  • 2階以上を階段で昇り降りするので軽いのがいい
  • 輪行で東京の公共交通機関を活かせる
  • 街乗りメインなので、本格的な走りは求めてない

特に折りたたんで輪行ができるのは、公共交通機関が発達しまくった東京の利を活かせるポイントじゃないかと。

ちょっと遠くまでサイクリングして、疲れたら電車で輪行して帰る…みたいなスタイルは、他の自転車では不可能ですし憧れますね〜。

折り畳み自転車って、どんなブランドがあるの…?

折り畳み自転車を買うことは決まりましたが、どんなブランドがあるのか全く知らないので、イチから調べることに。

こういう場合、ぼくはいつも最上級のモノから見るようにしてます。

そこからランクを下げて行って、何が劣っているのかを比較しながら、妥協できるポイントを見つけていく、って感じです。

王者、『BROMPTON』

そして最上級折りたたみブランドとして見つけたのが、『BROMPTON(ブロンプトン)』というブランド。

イギリスのブランドで、折り畳み自転車の王様的な存在。

安くても20万円、オプションなど付けると30万円オーバーという価格帯。。

しかしそれだけあって、

  • 極上な走行性能や造り
  • 豊富なオプションで自分好みにカスタマイズできる
  • 変わらない造りで長く付き合える

など、一生モノになり得る折りたたみ自転車とのこと。

魅力たっぷりなブランドですが、「約8年ぶりに乗る自転車としては躊躇われるなぁ。。」ってことで、今回は選考外でした。

東京発、近未来『iruka』

ブロンプトンと同価格帯で比較されていたブランドの中で、一際ぼくの目を惹いたのが『iruka(イルカ)』というブランド。

割と新しい日本のブランドみたいなんですが、ルックスがメチャクチャに好みでした。

  • フレームの独特で美しい曲線
  • ロゴの主張などもないミニマルさ
  • どことなく近未来を感じさせるデザイン

他の折り畳み自転車とは一線を画すオシャレさで、乗ってる人のレビューでも「歩行者の視線がスゴイ」と評されていたのが印象的でした。

こんなので東京をポタリングするとかオシャレすぎる…お上りさんとしてはメチャクチャ憧れちゃいます…

最初はマジでこれを買おうか悩んだんですけど、こちらも20万円オーバーってことで、やはりもっと手の届きやすい価格帯から選ぶことにしたのでした。

折り畳み老舗、『DAHON』

そうして折り畳み自転車について調べていくと、『DAHON(ダホン)』というブランドに辿り着きました。

折り畳みの老舗で、OEMもたくさん手がけている実績お墨付きブランドということで、調べていくと『DAHON』に行き着いたのは当然だったわけですね。

  • 堅牢性のある作り
  • 汎用的なパーツを使ってるので、メンテナンスもしやすい
  • 価格は約5万円〜20万円と、リーズナブルなラインも用意されていて、手が届きやすい

口コミでも『DAHON』は特別悪い評判がなく、価格帯的にも「とりあえずここを選んでおけば間違いない」みたいな印象だったので、とりあえず『DAHON』を中心に探すことにしたのでした。

車種を絞っていくぜ

ひと通り折り畳み自転車のブランドをチェックしたとことで、今度は車種を絞っていきます。

「HIT」でよさそう…?

『DAHON』の自転車のラインナップを調べたところ、エントリーモデルの「HIT」が十分良さそうという感じでした。

「HIT」は、コロナ禍に伴って「ウイルスに打ち勝つ(HIT)」という意味を込めて、広い人に行き届くようリーズナブルな価格で展開されたモデル。

それが今年になって、元々のエントリーモデルである「Route」が廃盤になって「HIT」と入れ替わったようです。

HITの特徴
  • 20インチという一般的なホイールサイズ
  • 約12kgで、可もなく不可もなく、な重量
  • 6段変速付き
  • スタンドやマッドガード標準装備
  • 約¥60,000というリーズナブルさ
  • 造りもまぁしっかりしてて、カスタマイズのベースに良いらしい?

Youtubeやブログなど見ても評判悪くなさそうだし、価格も楽天で買えば¥50,000くらいで購入できそうだったんだし、8年ぶりの自転車としては十分だろうと。

「よし、HIT買っちゃうかー」と、この時は割と安直に決めていたのでした。

「K3」…?

「HIT」を購入することに決めた後、来たるチャリンコライフに備え、YoutubeやブログでDAHONの情報を見て士気を高める日々を送っていた中…

とある自転車の存在がすごく気になり始めたんです。

そう、ここで「K3」が出てきます。

「K3」の存在はDAHONの自転車ラインナップを調べてたときに知ってはいたんですが、その際には「14インチホイールは走り辛そうだしな〜」という先入観で、見向きもしていませんでした。

しかし「HIT」の関連で流れてくる「K3」の動画やブログを眺めていると、みんな「K3」に対する熱量(愛)がすごいな…と。

K3の特徴
  • 14インチホイールという超小径車
  • 7.8kgというバケモノみたいな軽さ(ほとんどの折り畳みが10kgは超える)
  • 他の折り畳み自転車とも一線を画すコンパクトさ
  • 3段変速付き
  • 14インチであることを忘れそうになる本格的な走り
  • しっかりした造りながら、約10万円弱でコスパの評判は高い

「K3」は上記のような分かりやすく極端な特徴を持っており、合う・合わないがハッキリ分かれるんですが、合う人には「コレ以上はない」みたいな自転車なので、熱量がすごいと感じるのもある意味納得。

これより小径な自転車となると、『CARRYME(キャリーミー)』という「台車かな?」ってレベルの自転車くらいしかないそうなので、実用性を考慮すると「K3」は自転車界でほぼ最小径といってよさそうです。

ちなみにダホンには「DOVE PLUS」という、より軽い14インチ自転車もありましたが、そちらは変速機能が付いておらず、田舎の山々をチャリで爆走していた自分には物足りなそうなので見送りました。

改めて「K3」を自分に当てはめてみると…

  • 「HIT」より4kgほど軽いので、室内からの持ち出しが楽になりそう
  • 「K3」で数百km走ってる人もいたので、耐久性や走りも問題なさそう
  • 14インチホイールも、慣れてしまえば大丈夫なのでは?
  • 180cmくらいの人が乗ってるのを見たけど、子供っぽいとかそんな印象なし(むしろシャレてる)
  • 電車の輪行もしやすそうで、都内を行ったり来たりするのに向いてそう

などなど…
シミュレーションすればするほど、「K3」が自分のライフスタイルに合っているような気がしてきました。

ただこの時点で懸念があるとすれば、

  • 身長179cmが乗ったらどんな感じか、自分の目で確かめたい
  • 14インチホイールの乗り心地を試したい

という二点。

こうなってしまったら最後。
「K3」が気になりすぎて何も身が入らなくなってしまったので、「K3」の実機を見てみることにしたのです。

伏兵、『RENAULT』

しかし「K3」の情報を集める中で『RENAULT(ルノー)』の「プラチナライト8」も良さそうだ、ってことに気付きました。

『RENAULT』と言えば自動車を思い浮かべる方が多そうですが、自転車も出してたんですね。

プラチナライト8の特徴
  • 16インチで14インチよりは走りが安定する
  • 7段変速で幅広いシーンに対応できる
  • コスパが良く、「K3」より3万円ほど安い(約¥70,000)
  • 8.8kgと、「K3」ほどじゃないけど十分軽い
  • 中身はDAHON(OEMらしい?)なので、造りもしっかりしてる

という、「HIT」と「K3」の中間、かつお安く買えるという、折衷案的な選択肢。

14インチの走りが微妙であれば、この「プラチナライト8」が良さそうだなーと考えてたので、こちらも合わせてチェックしてみることに。

というわけで、
「HIT」か、「K3」か、「プラチナライト8」か決める旅が始まりました。

実物確認、その結果

「実際に見てみよう!」と決意したはいいものの、、想定外だったのは「K3」はとんでもない人気車種で、どこも在庫切れ状態だったこと。

あまりに売れ過ぎて日本規格の在庫では全く足りず、海外仕様の「K3」で在庫をまかなってるほど。

しかしぼくが狙ってるのは国内仕様の「ガンメタル」カラー(ブラック)だったので、そもそも買えるかどうかも怪しいというところからスタート。

しかしラッキーなことに、足の届く範囲で試乗車がある店舗を発見できましたので、そちらに伺うことにしました。

プラチナライト8の店頭での印象

道中にあった自転車屋さんで、まず「プラチナライト8」を発見。

そこでは残念ながら試乗不可でしたが、とりあえず持ってみての感想が「軽っ!!」

「K3」ほどでないとはいえ、8.8kgという軽さは実感してみると驚異的でしたね…

この瞬間、「HIT」という選択肢が頭の中から消え去りました(買わなくてよかった…)

あと、ルックスがカッコいいなーと。
3つの選択肢の中であれば、見た目は「ルノー」が一番好きだったかも。

跨ってみてもリラックスできそうな座り心地で、特に減点ポイントが見つからず
買っても「まぁ後悔しないだろうなー」という印象でした。

K3の店頭での印象

ただやはり、本命は「K3」

そうこうして試乗車が置いてある店舗に到着。店員さんが常連さん?と話し込んでたので、ウロウロ店内を徘徊。不審者を放置するわけにもいきませんから、「何かお探しですか?」と声掛けいただき、いよいよ「K3」とご対面。

とりあえず持ってみる…「軽っっっ!!!!」

14インチとはいえ見た目は自転車。。しかし目に入ってくる情報と手に持った重さの感覚が全く釣り合わないという不思議な感覚。

「プラチナライト8」とは約1kg差ですが、体感だと明らかに軽くてぶったまげました。

これは期待できる…!!とワクワクしながら試乗。

そして、試乗してみた感想は…

  • 身長179cmが乗っても見た目は思ったより変じゃない
  • ハンドルの高さが調整できない(盲点)ため、前傾姿勢になって疲れる
  • 14インチホイール特有の振動ガタガタ感

…という感じで、、なんかパッとせず。

この時点での感想を正直に伝えるなら、「期待したほどじゃなかった」でした。

葛藤、そして決断

そして帰宅後、以下ツイートを投稿。

実は、、このツイートで8割と言ってるのは「プラチナライト8」を指していたんです。

試乗はできなかったものの、脳内で検討すると、

  • 3万円安く買えて見た目も好き
  • 16インチで走りも安定しそう

と、「K3」よりも合理的な選択肢なので、「もうプラチナライト8にしてしまおう…」と考えていた次第。

ただここで即決はせず、一旦頭を冷やしながら、最終判断のための情報を集めることにしました。

…いや、やっぱり「K3」が忘れられない

「プラチナライト8」はたしかに合理的で良い選択肢のはずですが、「K3」の極端な軽さやコンパクトさに比べると所有欲が全く駆り立てなかったんです。

それに"軽くてコンパクト"というのは、室内保管において何より優先される事項。もし他の自転車を買ったなら、室内から持ち出す度に「これがK3だったらもっと軽かったのに…」という考えが毎回脳裏をよぎることになるでしょう。

改めて、試乗したときのことを思い出しながら、「K3」のことを調べます。

  • 前傾姿勢はハンドルを交換することで緩和できそう
  • ゴツゴツした乗り心地もタイヤを交換することで緩和できそう
  • 過去にもいろんな自転車乗ってたけど、すぐに慣れたので14インチも慣れるはず

…いや、やっぱり「K3」だろう
再び気持ちが傾きます。

あと何より心を動かされたのは、「K3」は上記のような情報が調べればすぐに出てくること。

「K3」は超人気車種で、カスタムや修理に関する情報は山ほどあるというのは、自転車初心者にはとても心強い要素です。(プラチナライト8は情報少なめでした)

うん、ここまで考えてみた結果、ぼくがDAHON K3を否定する理由はなくなりました

そして数日後、再度「K3」を試乗させてもらったところ、慣れたのか当初の違和感も薄れたように感じたので、購入を決断。在庫のあった店舗を必死に探して、見つけた瞬間直行。

DAHON K3の購入へ至ったのでした。(長かった…)

これが、DAHON K3

購入から納車までは約2週間ほどかかりました。その間非常に待ち遠しかった…

DAHON K3を購入しました

いや〜〜〜良い!!!

折りたたんで室内保管されたDAHON K3

ミニマムサイズでありながら、スポーツバイク特有のギミック感、というアンバランスさがなんともいえず魅力的。

折りたたんだときの佇まいとか、秘密基地に収容されたロボット感?があって、男心をくすぐるものがありますねー。

色は予定通りガンメタルを選択。
この色が全然在庫なくて、探すのにまぁまぁ苦労しました…(探す途中で「ガンメタルはもう入手不可能」とまで店員さんに言われたことも…)

自転車のレビューとかよくわかんないんで、とりあえずテキトーにパシャパシャと。

DAHON K3のハンドル
ハンドル。ライトは別途購入したもの。
DAHON K3のブランドロゴ
フレームに乗ってるのは、別途購入した鍵です。
DAHON K3のロゴ
K3のロゴ。
DAHON K3に装着したキックスタンド
キックスタンドは付属してないんで購入しました。
ダホン K3の後輪
後輪。小さい。
DAHON K3のタイヤとMagic Keyboardのサイズを比較した画像
ホイールはMagic Keyboardより少し大きいくらい。ちっちゃ。

折りたたみ方

折りたたみ方としては以下の通り。

1.ハンドルを畳む
DAHON K3のハンドルを傾けるレバー
ハンドルの角度を前に傾けます
DAHON K3のハンドルポストを折りたたむためのレバー
このレバーをあげるとハンドルポストが折り畳めます
ハンドルポストを折り畳んだDAHON K3
2.フレームを畳む
DAHON K3のフレームを折りたたむためのレバー
このレバーをあげるとフレームが折り畳めます
ハンドルポストとフレームを折り畳んだDAHON K3
3.サドルを下げる
DAHON K3のサドルを下げるためのレバー
このレバーをあげるとサドルを下げれます
DAHON K3を折り畳んだ画像

上記のように、だいたい3〜4ステップほどで折り畳み可能で、慣れちゃえば1分で終わります。順番的にも割と適当でOK。

DAHON K3の折りたたみ方のGIF動画
GIFにするとこんな感じ

元々小さいですが、折りたたんだサイズは驚異的。最高。

DAHON K3の折り畳みビフォーアフターのGIF動画

輪行袋に入れてみるとこんな感じ。

輪行袋に入れたDAHON K3
輪行袋に入れたDAHON K3を背負う
これでどこまでも行ける

輪行袋はDAHON純正のものを購入しました。

DAHON K3 ファーストインプレッション

納車してから雨続きで、まだ数回程度しか乗れてないですが、超ざっくりファーストインプレッションを挙げてみると以下の通り。

  • 軽いので気軽にお出かけしたくなる
  • 14インチでも全然スピード出せる(ガチれば30kmは出るらしい)
  • タイヤの振動は伝わりやすい
  • 小さい段差でも乗り越え辛い
  • 前傾姿勢はやっぱりキツい
  • 長距離にはやっぱり向いてなさそう

あと諸事情により納車初日に輪行して持って帰ったんですが、東京の電車でも邪魔にならず輪行できそうってのが分かったのはよかったですね。

足の間に挟んでおけば邪魔になりにくいので、キャリーケースくらいの感覚で持ち運べそうです。(ラッシュ時はさすがにキツそうですが)

気になった部分もありましたが想定の範囲内で、カスタマイズなり慣れるなりでどうにかなりそうなんで、じっくり付き合っていきたいところです。

まとめ:納得できる買い物は気持ちイイ

以上、自転車ド素人がDAHON K3にたどり着くまでを語りました。

改めて「K3」への評価をまとめると、以下の通り。

DAHON K3
総合評価
( 4 )
メリット
  • 軽くて室内保管
  • 超コンパクトで輪行しやすい
  • 14インチでも3速ギアで全然走れる
  • クオリティが高いのに10万円切る価格
  • 人気車種でカスタマイズ情報などを見つけやすい
デメリット
  • 前傾姿勢になりがちで疲れやすい
  • 114インチで多少の段差も乗り越えにくい
  • 長距離には向かない

考えれば考えるほど自分の生活スタイルに合ってるので、良い買い物をしたなーと。

「K3」って、コレにしかない魅力が詰まったほぼ唯一無二な自転車じゃないかと思ってまして。

  • とにかく軽くて
  • 小さくて
  • よく走る自転車

ってのを求めるとほぼ必ず「K3」に辿り着きますし、他に目移りしそうな車種がなさそうなんですよ。(※ぼく調べ)

それを裏付けるのが、あの王者『BRONPTON』から乗り換える人も多くなってるらしく、約10万円という価格ながら倍以上する車種と比較検討されているという事実。

ぼく自身、最初こそ『iruka』を欲しがっていましたが、今となっては「K3」を本当に買ってよかったと。

"自転車"という詳しくないジャンルで、ここまで納得できる買い物ができたのは気持ちイイですね。長いこと調べまくって悩んだ甲斐があった、と自分を褒めてあげたいと思います。


「K3」と一緒に購入したアクセサリの記事も書きました。

また、「K3」を室内保管するためにDIYしてみました。

よければこれらの記事も合わせてご覧ください。

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